専修大学育友会
ルワンダへ行った動機と専修大学でできること
狩野 歩夢(経済学部)
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ルワンダで行ったことを大きく三つに分けると、一つ目は学生会議。二つ目は、開発に携わる方からお話を伺い、討論会の実施。三つ目は、ミレニアムビレッジ視察、である。

一つ目の学生会議ではルワンダ国立大学でMPJYouthメンバーはルワンダ大学学生と学生会議を行った。会議では主に「開発援助に関して」をトピックとし、より現地の人の自立に役立つ開発と援助を目指し、援助する側と援助される側の視点をぶつけ合った。

二つ目の討論会では、ルワンダ大統領府、ルワンダ中央銀行、経団連、ルワンダJICA事務所、UNDP(国連開発計画)事務所、ルワンダ虐殺記念館、ルワンダ大使、等様々な機関・関係者を訪問しお話を聞かせていただき、討論を行った。

三つ目のミレニアムビレッジとは、ジェフリー・サックス教授が提唱する「私たちの世代は歴史上初めて極度の貧困を終わらせることができる」という理論を証明すべく、コロンビア大学、国連開発計画、NPO法人ミレニアムプロミスが共同して実施している国際的な取り組みのこと。現在アフリカの10 カ国80 の村々に住む極度の貧困層50 万人を対象に、包括的な援助を行い5カ年で住民のサステイナブルな自立を目指している。包括的な援助とは、1. 農業 2. 基本的健康 3. 教育 4. 電力、輸送、電信 5. 安全な飲料水と衛生設備 の5つの面であり、ミレニアムビレッジプロジェクトではこの包括的アプローチによる国連ミレニアム開発目標の達成可能性を探っている、いわばモデルケースとなる村のことである。この村を訪問し、ビレッジの役割と効果、良い点、改善点を模索した。また、実際にミレニアム開発目標達成に向けて数多くの成功例を生み出しているミレニアムビレッジを見学し将来に向けての参考となるとともに、意識の変化、貧困や途上国の問題は改善できるのだということを改めて思い返すきっかけとなった。

私自身のルワンダ渡航においての目的は、三点あった。

一つは、ルワンダの現状や問題をうかがい、現状を知る。そして、先進国や日本の問題点や反省点、成功例を渡航前に学び考えること。さらに、そのことを現地で伝え今後のルワンダの問題解決や発展をどのようにしていくべきか、ルワンダに生きる学生と共に考え、解決案を出し合うことだ。

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アメリカのサブプライムローン問題や、欧州の金融危機など、市場経済の風潮(メカニズム)(個人の利益を最大化することは正しい)に様々な問題が生じているこのご時世において、近代化とはアメリカや欧州のような発展をすることだけが正しい道ではないと私は考える。日本は発展していく過程で、農業改革失敗と改善、公害、人と人とのつながりの脆弱さ、自殺者の増加、環境問題、原子力発電のようなエネルギー問題等、様々な問題が発生し改善してきたものもあった。途上国に住む方々は、先進国の成功例、失敗例を聞き、自国やその地域のアイデンティティーや文化を大切に、途上国に住む人々やその地域に暮らす人々が本当に良い発展のプロセスは何かを考え、話し合い、先進国の例を参考にしていただけたらと思い、このような目的意識を持ち、渡航に参加した。

二つ目は、援助やルワンダの現状打開・改善に携わる様々な人とコミュニケーションをとり、望ましい開発等を考え自分の意見を見出すこと、アフリカや途上国で暮らす人にとってよりよい発展に寄与するにはどうすべきか、どのようなアプローチがあるか考えだすことも目的の一つであった。

そして、最後に、専修大学在学中に何ができるのか、どのような活動をしていくべきかを考え帰国後実行するというのが一番の目的であった。
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